28.「文法って英会話には遠回りですか」

男性 京都府 大学生

こんにちは。 

僕は今年の春から大学生なんですが、英会話の教室に通うことを考えています。

中学、高校と今まで6年間、英語の勉強をしたのですがぜんぜん話せないことに失望しています。

あれだけ難しい勉強をしたのにと思うと、英会話教室に行って、実際に英語を使ったほうが近道じゃあないかって思います。

文法を勉強してきた6年間って遠回りだったなあって感じます。

英会話のもっとも効率的な勉強方法ってありますか?





Answer No.0028

メールをありがとうございます。 

まず最初に申し上げたいことは、英文法を勉強するということは遠回りではなく、むしろ近道です。

確かに中学、高校と勉強してきたのに、6年間も勉強したのに、話すことができないという失望はわかります。 僕も同じように感じました。

が、ここで論理的に考えてほしいんですね。 実際の事実、現実を見つめてほしいんです。



ネイティブスピーカー(英語が母国語である人)は生まれてから大体5〜6歳くらいまでの間に英語を自然に身につけ、完全に不自由なく話せるようになります。

24時間、英語漬けの環境で6年間です。 



それに対して中学、高校と日本の普通の学生はどれだけの時間、英語を勉強しますか?

多くても週4〜5回、一日1時間〜2時間です。単に6年間といっても時間量と密度がだいぶ違うんです。

日本の学生は教室を一歩出れば日本語ですからね。

(ネイティブスピーカー)
16時間(一日8時間睡眠として)×365日×6年×

=35040時間


(日本の学生)
2時間×5回(1週間)×52週×6年

=3120時間



日本人の学生が英語に触れる時間は、時間量を単純計算したとしても11分の1なんです。

単純に6年と置き換えることができないんです。



さらに、ネイティブスピーカーの生まれてから6歳までの間というのは何事を身につけるにしても一番吸収力が高い時です。

考えてみればわかります。 何にも書いていない真っ白な紙に字を書いてみた場合と、いろいろ書き込んだ紙に字を書き込んだ場合、どっちがその文字を探し出すのが簡単ですか?

何にも書いていない真っ白な紙はもちろん0〜6歳のネイティブの頭です。 それに対していろいろ書き込んである紙は日本の学生の頭です。

もちろん、真っ白な紙のほうですよね。 ということは脳に置き換えたとしてもそれだけ、なんらかの情報を引きずり出して使うのが容易だということです。

さらに、まだ周囲に何も書いていない紙に書かれた情報というのは、ごちゃごちゃ書いてある紙に書かれた情報よりも印象に残るはずです。

脳の状況が違うんです。 

0〜6歳児の言語を習得する能力はそれより大きくなった人間に比べて2〜3倍、(場合によるとそれ以上)違いますから、先ほどの11倍の差は22倍にも33倍にもなります。



そりゃあ、ぺらぺらになるはずなんですよ。 それをどこかの大手校は「あなたは日本語を身につけるとき、勉強しましたか? 話して身につける。 コミュニケーションの本質です。」なんていったりする。 笑うしかないんですよね。

上に挙げたように吸収力も時間量も違うのに、
お笑いなんですよ。



さらに、0〜6歳の脳は言語を習得するにおいて特殊な能力が備わっているといわれており、周囲が発話した文を判断し、それをアレンジし、トライ&エラーを繰り返しながら、言語を特別な勉強をしなくても習得できます。

しかし、その年齢を過ぎると一人でに言語を身につけてしまう能力は弱くなっていきます。 

理由は簡単です。脳がこなさないといけないそのほかの仕事が増えるからです。

その能力が弱くなるにつれて、自分がどうしてそうなるのか理解していないこと、仕組みがわかっていないことは理解しにくくなるのです。



ここでどうしても文法の助けが必要になってくるのです。



ひとりでにラクラクで英語を身につけることができる時期はもう、6歳の時には終わってしまっているんです。

そして、そのラクラクの時期でもなんと、6年かかってしまっているんです。

なので、文法を勉強しなければ、どうしてそうなるのかわからないということですから、ぺらぺらになるまで少なくとも6年以上はかかると思っておいていいです。

(これに前回のメルマガでお伝えした0〜6歳のネイティブと日本の学生の差を表した倍数をかけてみてください。恐ろしいことになります。 単純計算しても事実上、不可能な年数がかかってしまうことになります。)



むしろ、文法はその時間を早めるツールなんです。

確かに0〜6歳児に比べて言語を自然に学習してしまう能力はありませんが、その分、経験がついていますし、考える能力が出てくるんです。

さらに0〜6歳児に比べて一番差がついているのは「言語をひとりでに学習してしまう能力」ですから、言い換えてみれば、ほかの部分は努力しだいでどうにでもなります。

0〜6歳児は何も考えずに、ひとりでに言語を習得していくだけですが、われわれはその効率を考えることができるのです。



だからいつも言っている様に効率が重要なんです!!!



われわれは考えることができます。 そしてその言語習得に必要な期間をいくらでも短縮できるんです。

その有効なツールのひとつが文法なんです。

それを考えると文法は遠回りだなんていえません。むしろ文法を知らないほうが絶望的といっていいほど遠回りです。

6歳を過ぎてしまうと基本的にどうしてそうなるのかわからないことを習得するのは難しいのです。

そのどうしてそうなるのかを教えてくれるのが文法なんです。 

文法は理解を早めるツールなんですよ。



理解を早めるといえども、そのツール全てをおさえる必要はないんです。

いろいろあるツールの中でも英語を話すにおいて使うツールの数は限られてきます。

もちろん、相手の言うことを全て理解しようと思えば、そういったツールをできるだけ多くおさえておく必要もありますし、文法以外に知識を増やす必要もあります。

でも、まず自分から英語で情報発信できるようにならないといけないんです。



そういった情報発信に使うツールだけに限定すると、1年で話せるようになります。 

これはひとつのシチュエーションだけに限られたガイドブック英語
ではなく、どんな場合でも自分の意思を相手に伝えるという英語です。

巷(ちまた)の間違った英語の習得法にだまされてはいけませんよ。 確かにそういった教材を使うことによってある程度英語を話すフリはできるかもしれませんが、皆さんが思い描いている姿とは違っているはずです。



最後にもう一度、英語で長年仕事をしてきた私が言います。

英語の文法は必要です。

文法は悪者ではありません。 生徒集めに必死の英会話学校が悪者に仕立て上げただけです。

なぜ話せないかというと、知識を身につけるだけ身につけてそれを実際に使うシチュエーションが抜けているというだけです。






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