英語ではリスニングは大切です。
TOEICなどの資格試験でリスニングの点数が高いことは有名なことです。
そして英会話でも相手に言われたことがわからなければ、どう答えていいのかわかりませんね。
ただ、「リスニング」というとどうしても皆さんの注意は「音」に向いてしまいます。
なぜなら「今の音はたぶん、こう言っていたな。」と推測がつくからです。
でも、音だけに注意を向けているといつか頭打ちになります。
私がそうでした。
私もTOEFLの受験のために英語の勉強をしているときは、必死になってリスニングの勉強をしました。
その時は「日本人がリスニングで弱いのはどうしようもない。」と思っていたのです。 なので、私の立てた戦略はこうでした。

当時(1996〜1997年ごろ)、ペーパー版のTOEFLでは、文法問題で満点を取れば、600点をクリアーできるといわれていました。(TOEICにして900点相当)
もちろん、文法問題で満点が取れるということは、リーディングでもそれなりの点数が取れていることになりますが。
リスニングは苦手意識がありましたから、自分の得意なところで勝負しようと思っていたのです。
TOEFLの文法問題はTOEICに比べると結構パターン化していました。
なので、パッと見ると難しい単語がいっぱい並んでいますが、パターンをつかむとそれほどわかっていなくても解けたのです。
結局、580点が取れたところでニュージーランドの大学に行く基準点はクリアーしていたので、そこで勉強をいったん終了、ニュージーランドに行く準備を始めることになりました。
文法は満点近く取れていたと思います。
でも、どうしてもリスニングが伸びませんでした。
なにもリスニングを放ったらかしにしていたわけではありません。シャドウイング(聞こえてくる英語に少し遅れてマネをしながらついていく練習)を徹底的にこなしました。
これをこなすことによって、英語の音が大体つかめます。
なので音のつながり方、変化などもつかめるようになりました。
確かに以前よりも聞こえやすくなりました。
ただ・・・、何か釈然としない部分が残ったのです。
スピーカーが一気に話すと何を言っているのかわからなくなる。
端々の聞こえてくる単語から想像するしかない。
「やっぱり時間がかかるんだな〜。 地道にシャドウイングするしかないのか・・・。」
正直10年仕事だと覚悟しました。
ただ、根気強く勉強を続けているといろいろと見えてきます。
その中で気づいたのはまず1つ・・・。

たとえ、音としてはっきり認識できていたとしても、その単語や表現を知らなければわかりません。
どこからがその単語の始まりで、どこが終わりなのかさえわからないのです。
聞こえない原因はまず「知識量の不足」が挙げられます。
なので、初心者になればなるほど聞こえにくいというわけです。 それだけ知らないものが多いはずですから。
それともう1つ。 ほとんどの人がリスニングが苦手である原因です。

たとえ音がはっきり聞こえていても、その単語の意味がわかっていても、その単語の意味を思いつくのに3秒かかっているようであれば遅すぎます。
その間にスピーカーは前から後ろへとお構いなしに進んでいくのです。
関係詞などでも同じです。
例えば下の英文はどうでしょう?

もちろん、こうやって視覚的に全体像が見えれば、"my father works for"の前に関係代名詞が省かれていて、前の"the company"を説明していることはわかります。
ただ、リスニングではこのような余裕を与えてはくれません。

一方的にスピーカーが前から後ろに突っ走ってしまいます。 しかも1分間に160〜200語、1秒間に2.6語から3.3語のスピードで。
なので単語の意味を考えるのに3秒かかっていたらもう、アウトです。

そして動詞の"works"をすぎて、さらに次の動詞"has"が出てきた時点で"has"の前の切れ目がわかり、"the company my father works for"のカタマリが意識できるのです。
もちろん、こんなこと説明されればわかります。 理解できます。
でも理解だけじゃあダメなんです。 考えてわかるのでは遅すぎるのです。
前から後ろへ流れている英文の流れの中で、感覚としてとらえることができないと。
これは音読を通して身につけていく感覚なんです。
この感覚ができていない人は英文読解も遅いですし、リスニングもスピードについていけず、どれだけ音を神経質に勉強しても聞こえる実感が持てません。
音読を通して前から後ろに英文の流れを取っていく感覚です。
ちまたでいう「フィーリングで」とかいうあいまいなものではなくて、このように理論的に証明できる感覚なんです。
まずはこの感覚を身につける。 これがリーディングにもリスニングにも有効です。
そしてこの感覚が身についてくると、大部分の英語を勉強している人が越えることができない1つの壁を越えたことになります。
大丈夫。 きちんと勉強すればこの感覚は誰でも身につけることができます。
ここではリスニングの勉強の仕方についてアドバイスしています。
このページは「1.聞こえない理由を知ろう」です。

