「英語脳」とは繰り返しを通した「習熟」によって考えなくても口から英語が出てくる状態です。
みなさんのお仕事や家事、お好きな趣味などを想像していただくとわかりやすいかもしれません。
最初は考えながら少しずつだったのが、回数を重ねていくうちに、考えなくても体が動くようになっているはずです。 スポーツなんかもその典型的な例ですよね。
英語において特にスピーキングとリスニングという「英会話」に関わってくる技能においては特にスポーツの要素が強くなります。
「会話」というコミュニケーションの中では、時間的な余裕があまりないからです。
皆さんの日本語の会話を思い浮かべてください。
1分間あればかなりの事柄を話し合うことができるはずです。
10秒の間でもかなりのスピードでかなりの量の事柄を話しているはずなのです。
でもそれに対して、リーディング(読解)とライティング(英作文)に関してはひとつの英文に対して1分という時間をかけることができるのです。 それ以上でもOKでしょう。
リーディングのスピードが速くなって、返し読みができなくなる、そして媒体が「目から入ってくる文字」ではなくて「音」であればリスニングになります。 リスニングは音を通したリーディングと考えていいのです。
それに対して英作文のスピードが速くなって、媒体が「手で書く文字」ではなくなって、「口から発する音声」になればスピーキングになります。
「英会話」に直接結びついてくるスピーキングとリスニングでは時間的な余裕がないためにどうしても、考えなくても口から英語が出てくる「英語脳」が必要になってきます。
かといってその「英語脳」は「聞き流すだけで身につく」というような魔法のようなものではありません。
英語は技能です。 皆さんが技能として行ってらっしゃるお仕事、家事、趣味、そしてその他の特殊技能に置き換えていただきたいのです。
「CDを聞くだけで『ナスの田楽』が作れるようになります」「DVDを繰り返し見るだけで『本格ラザニア』が作れるようになります」「聞き流すだけで美容師のような本格的なカットができるようになります」
実際にこのような技能をこなせる人がこれを聞くと「バカにするな!!」って思いますよね。
英語だけが特別ではありません。 英語も技能であるからには同じなんです。 体を使わないといけない。
では、どうすれば体を使って習熟していけるのでしょうか?
まずは自分が英語で取り扱う題材を限定してしまうことです。
お仕事でもそうですよね。 最初から色々とこなしましたか? 最初はひとつ、もしくは少しずつこなしていって慣れていったはずなのです。
範囲を限定して、あまり考えないといけない内容を増やさないでひたすら慣れる。
人間、どんな技能でもこれが基本ではないでしょうか? ご自身の身の回りの物事に照らし合わせていただければわかっていただけると思うのです。
英会話ではいつも私が申し上げていることですが、「自分の身の回りからまず、完全に話せるようにする」これが基本です。
名前と住所を言って終わりでは意味がありません。 ご自身の住んでいるところの雰囲気、どんなお店があって、首都圏からどんな交通機関でどれくらいの時間がかかるのか。
家族は何人いて、それぞれどんな性格なのか。 兄弟は何人いるのか。 どんな仕事をしているのか。
どんな趣味を持っているのか。 どうしてその趣味を始めたのか。 その趣味の中で使う物の中で自分がこだわりを持っているものがあるのか。
そういうことを一通り話せるようにする。
そして何度もリハーサルしてみるのです。
ただ、リハーサルはあくまでリハーサル。 本番とは違います。 もちろん、実践の英会話による「演習」が必要です。
でも、そのような地道な努力があって、ある程度自分の話したいことに慣れておいて初めてそのような「実践の英会話」が生きてくるのです。
ぜんぜん自分の話したいことに慣れていないうちにいきなり英会話では、自分の言いたいことを考えつくのに時間がかかって仕方がありません。
いきなりラケットを渡されて試合のコートに放り込まれるようなものです。
そして自分の身の回りの事に慣れてきたら、先週の週末に何をしたのか、学生時代はどうだったのかというようなことに広げればいいでしょう。
まずは範囲を狭めて、徹底的にリハーサル。 練習。 そして少し慣れてきたら本番(英会話)でトライ。 生の現場の雰囲気がより英語になじませてくれます。
実際に英語を使っている緊張感が英語に習熟させてくれるのです。
「英語脳」に必要な「習熟」、最初のキーは「範囲の限定」なのです。

